STORY
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HISTORY
「山本園大谷グランドセンター」と名付けられたこの建物は、昭和後期に1人の石工によって建てられたとされています。当時は観光バスが訪れ、多くの人で賑わっていました。時代が変わり、人が建物から消えた平成時代を経て、現在。草木が生え育ち生い茂るほどの時間の経過は、岩に抱きつくこの建物に、神秘的とも感じるまでの清らかな空気を纏わせました。
再び人がこの場所に集うことを願い「山本園大谷グランドセンター」という名を一部引き継ぎ「大谷グランド・センター」として、物語の続きが始まります。
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SPACE
長い年月を経て、自然と一体化した建物。画家のカール・ラーションが「正しく古いものは永遠に新しい」と残したように、その姿は時代を越えてさらなる魅力を纏ってきました。大谷グランド・センターとして時間の経過をこれからも愛でていけるよう、素材や手法を選定。足を踏み入れた瞬間に感じる神秘的な空気はそのままに、再び人がこの場所に訪れ、快適に楽しめるように、自然光を導き、風が通り抜ける環境を再構築しました。
大谷石のあたたかさに包まれる大谷石のあたたかさに包まれる
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OYA STONE
大谷という町の中心には、いつも大谷石がありました。文化財建築や現代建築の礎として今なお輝き続ける大谷石。茶色の斑点はミソと呼ばれ、大谷石ならではの多様な表情を作り出しています。大谷グランド・センターも例に漏れず、様々なかたちで大谷石が建築当初より館内に存在していました。ブロック状に加工され建物の空間を整えるもの、でこぼことした表情が残され空間を彩るもの、さらには石として切り出さずに岩山ごと構造に取り込んでいるものまで。今回のリニューアルにおいても、その空間にある大谷石の存在意義を読み解き、新たな空間の中で変わらずその魅力を発揮できるよう、生かしています。
人為と自然のはざまに人為と自然のはざまに
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PLANT
大谷グランド・センターでは、木々や石、虫たちが存在するのと同じように、人も環境を作る一員として存在していると考えています。新たに加える手入れは、自然が本来の姿に移り変わっていくために必要な最小限の手助け。健やかな環境が生まれることで、敷地が穏やかに循環していくよう、謙虚なまなざしで風土と向き合っています。
自然の循環の中で自然の循環の中で
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TERRACE
本建物を再開するにあたって、解体せざるを得なかった大谷石もありました。テラスでは、その一部をベンチやコーヒーテーブルとしてお使いいただけるよう整備しています。2階のカフェにてテイクアウトし、客席としてのご利用も可能です。長い時間をかけて育まれた植物に囲まれ、変わることのない大谷石の価値を感じていただけると嬉しいです。
どんな人にもこの景色をどんな人にもこの景色を
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ROOFTOP
本建物の屋上からは、大谷の町をご一望いただけます。春には青々と草木が茂り、秋には紅葉が色づく。見ているだけで胸がすくようなこの眺めをどんな方にもお楽しみいただきたく、屋上に続くエレベーターを新設しました。岩山をすぐ近くに感じていただける屋外階段からもアクセス可能ですので、ぜひ一度この景色をご堪能ください。
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LOGO
一般的に不純物と捉えられるミソですが、実は、大谷石のあたたかな表情を作りだす大切なもの。じっと見つめていると、それはまるで美しい金粉が散りばめられているようにも見えます。大谷グランド・センターの窓から差し込む光の粒子や、風に踊るように揺れる木の葉がきらきらと輝く様子とも重なる、大谷石や大谷町の煌めきをロゴで表現しました。
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MEMBER
植物に囲まれ、どこか凛とした雰囲気を纏った建物。人の気配が限りなく消えたこの場所には、自然だけが持つ煌めきがありました。清らかな美しさは人を惹きつけ、この場所は再びひらかれていきます。
運営
株式会社井上総合印刷
1966年、栃木県宇都宮市に創業。北関東随一の設備を誇る。環境に配慮した「FSC®認証」(FSC® C195305)や、宇宙構造工学研究者である東京大学・三浦公亮名誉教授が考案した特殊加工「ミウラオリ」の特許商標を有する。最新鋭の設備と探究心から生まれる印刷技術は、美術館・博物館の図録やアート作品にも多く採用実績がある。地域の課題や文化、歴史に精通しており、地域情報サイト「とちぎイーブックス」や、レンタルスペース&カフェ「Café ink Blue」を運営し、大谷の景観を楽しむ店として「そば倶楽部 稲荷山」を開店。「大谷地区地域活性化計画」のセカンドステージとして、食とアートの文化創造施設「大谷グランド・センター」を開業。
http://www.inoue-gp.jp/
トータルマネジメント:株式会社井上総合印刷 / 総合プロデュース:bonvoyage株式会社 / アートプロデュース:株式会社The Chain Museum / 設計監理:株式会社針谷將史建築設計事務所 / 施工:ニチビル株式会社・DDD株式会社・株式会社大久保 / 電気工事:五十二電気工事株式会社 / 設備工事:東栄設備工業株式会社 / 鉄骨工事:日南鉄構株式会社・稲葉建設株式会社 / ランドスケープ:株式会社ランドスキップ / 家具・インテリアデザイン:株式会社コンテデザイン / ロゴ・サインデザイン:清水彩香 / サイン制作:株式会社 jam(jam creative association)・陶遊舎(谷口勇三) / 写真:中村晃・松本雅直・株式会社YAR / 特別協力:やどプランニング株式会社・大谷資料館 / 施主:株式会社プロジェクトi







「大谷町のあるここ宇都宮の地で、半世紀以上ものあいだ地域のお役に立つ会社になるべく、総合印刷業としてモノづくりの歩みを進めて参りました。いくつかの事業を行う中で気づいた事があります。それは、印刷とは五感のひとつであり文化であるということ。そして、印刷と観光は似ていると私たちは考えています。どちらも、伝え残していくこと。だからこそ、幼少の頃より親しんだ大谷という町を伝え残していくことは、私たちがやるべきことなのだと思います。この場所と出会い感じた、表現し難い美しさ。それは私たちだけでなく、きっと多くの人に何かをもたらしてくれると信じています。」